年上王子様とのアリエナイ××①
「だって結婚ってそういう事でしょう?
相手の事好きだから結婚するんじゃないの?」
それはそうだけど..
「でもきっとあの人はあたしのこと何とも思ってないし。
これからもきっとそういう関係にはならないと思う」
言ってて自分に刺さって来る。
まるで言い訳してるみたい。
「まぁさ、お揃いのモノでも増やして距離を縮める事だね」
あたしの声の低さの理由が分かったのか、
はあとため息をついて食べ終えたお弁当をしまいながら
理恵ちゃんが提案してきた。
「お揃いのモノ?」
「そうそう!お揃いのカップとか、お茶碗とか。そういうのから少しずつ距離が縮まるっていうじゃない?」
そっか、そういう手もあったんだ。
「理恵ちゃんあたし頑張る!」
「おう!頑張れ!!」
そうだよね。
何もしないで距離なんて縮まらないよね。
縮まるように
努力しなくちゃ。
そしたらきっと北原さんだって..
「後はちゃんと名前で呼ぶこと、だね」
チャイムと被った理恵ちゃんのその言葉が
あたしを余計に緊張させた。