年上王子様とのアリエナイ××①
後ろから声が聞こえてばっと振り返るとそこには
一人の男の人が立っていた。
しかも・・ 何か睨んでる?
鋭い視線にどうすればいいか分からないでいると
「聞こえなかった?邪魔って言ったんだけど」
今度はさっきよりももっと刺のある声で言ってきた。
「す、すみません」
そう答えてその場所を無言でよける。
「ったく」
ため息をついてあたしの前を通って建物に入っていく姿に
ぴんっといい案が浮かび慌てて後を追った。
そうだ、この人の後についていけばいいんだよ!
そしたら変に思われないし
きっと屋上まで行けるはず!
うんうん、なんて天才なのあたし!
心の中で自分を誉めて男の人が鍵を開けて中に入るのを待つ。
すると
「ここに何の用?」
こちらを振り返らずにそう質問された。