年上王子様とのアリエナイ××①


次の朝。

ピピピピ!!


けたたましいアラームの音が鳴る携帯を何とか止めて起き上がる。


夜中に聞こえた北原さんが帰って来た音。


会うのは久しぶりで緊張するけど。


隣の部屋ではまだ北原さんが寝ているはず。


今のうちに朝ごはん作らなくちゃ。


ベッドから下りて部屋を出た。


結婚する、っていってもあたしと北原さんの部屋は別々で。

なんだか不思議な感じ。


起こさないようにゆっくり静かに歩いてリビングに入る。


二人で暮らすには広すぎる部屋。


黒を基調としたリビングは、あたしが来る前から綺麗に整頓されてあった。


男の人ってもっと部屋をちらかすと思ってたのに。


「よし、朝ご飯にとりかかるか!」

気合いを入れて、キッチンに入ろうとしたその時

「あれ?」


昨日テーブルに置いておいたお皿がなくなってる。

良かった、昨日の手紙見て食べてくれたんだ。


しかも後片付けまでしてくれるなんて..

ちょっと嬉しい気分に浸ってると

「おはよう」



< 54 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop