年上王子様とのアリエナイ××①
次の朝。
ピピピピ!!
けたたましいアラームの音が鳴る携帯を何とか止めて起き上がる。
夜中に聞こえた北原さんが帰って来た音。
会うのは久しぶりで緊張するけど。
隣の部屋ではまだ北原さんが寝ているはず。
今のうちに朝ごはん作らなくちゃ。
ベッドから下りて部屋を出た。
結婚する、っていってもあたしと北原さんの部屋は別々で。
なんだか不思議な感じ。
起こさないようにゆっくり静かに歩いてリビングに入る。
二人で暮らすには広すぎる部屋。
黒を基調としたリビングは、あたしが来る前から綺麗に整頓されてあった。
男の人ってもっと部屋をちらかすと思ってたのに。
「よし、朝ご飯にとりかかるか!」
気合いを入れて、キッチンに入ろうとしたその時
「あれ?」
昨日テーブルに置いておいたお皿がなくなってる。
良かった、昨日の手紙見て食べてくれたんだ。
しかも後片付けまでしてくれるなんて..
ちょっと嬉しい気分に浸ってると
「おはよう」