年上王子様とのアリエナイ××①
久しぶりに聞く声に胸が高鳴る。
「お、おはよう」
今あたし、普通に話せている?
「ってか朝早いね」
この数日間、何もなかったかのように話をする北原さんにどこか安心する。
だって北原さんなら
“誰だっけ?”なんて普通に言っちゃいそうなんだもん。
「あ、それは今から朝ごはんを作ろうと..北原さんのも」
「いらない、今から仕事だから」
そう言う北原さんは既に黒いスーツを着ていて。
その姿に一瞬みとれてしまう。
何度もこの姿は見ているはずなのに。
かっこいい..なんて思ってしまう。
「そうなんですか..あ、昨日は食べてくれてありがとう」
「何が?」
「何がって..昨日の夕飯」
食べてくれたんじゃないの?
「あーあれ?処分しておいたから」
え...
「なんで?」
「最初に俺言ったよね?互いの生活には干渉しないって」