年上王子様とのアリエナイ××①
「一度やってみたかったんだ。こういうの」
驚くあたしとは正反対にあはははと笑うその男の子。
何の前触れもなくあたしの横に座って話を始める男の子に
あたしはなんて言えばいいのか分からない。
初対面のはずなのに、人懐っこい笑顔。
だからかな、
「びっくりした~~」
こうして普通に話せる。
「ごめん、ごめん~本当にごめんね~」
両手を合わせてそう謝ってくるその人。
なんだろう、こんなに楽しい気分は久しぶりかもしれない。
ずっと塞いでいたから。
「許しません」
「そんな~~~~」
楽しいやりとりをしながらも電車はどんどん進む。
「俺、杉坂祐太朗。あ、祐君でいいから」