年上王子様とのアリエナイ××①
「あたしは高島柚子」
「柚子..可愛いね~」
“可愛い”なんて言われたことのないあたしは
ただただ心臓をドキドキさせながら祐君を見つめた。
「そんなこと言われたの初めて」
「そう?柚子って可愛いよ?」
茶色い髪を靡かせて、子犬のようなくりくりっとした瞳で言ってくれる祐君。
そういえば北原さんは
あたしのことそんな風に言ってくれたことなんてなかったな。
「あたし、前男の人に動物みたいって言われたんだ」
「ぶっ動物?」
「そう」
北原さんは最初に言った。
「君はイノシシみたい」だって。
あのとき、あの人はあたしのことをちゃんと見てくれた。
意地悪な事も言われたけど。
それはそれで楽しかった。
でも今は・・・
「何で?」