年上王子様とのアリエナイ××①
ものすごい速さで上がっていく
エレベーターの中で思うのは
やっぱり家族のことで。
大好きなお父さんとお母さん。
いつだってあたしのことを一番に考えてくれて
あたしを大事にしてくれた二人。
その二人から貰った命を絶つのはすごく心痛い。
きっと死んだら地獄に行くんだろうな、あたし。
罰あたりな娘でごめんなさい。
でもそれでいいの。
それで少しでもお父さんとお母さんが助かるなら。
あたしは・・
そう思っているエレベーターが開いた。
よし、行こう!
覚悟を決めて一歩踏み出すと
「どういうつもり?」
開いたドアの前に立っていたのは
さっきのあたしに冷たい視線を向けた奴だった。