年上王子様とのアリエナイ××①


気が付くと、ウェイターさんはいなくなっていて

目の前に座る翔さんがクスクス笑いながらあたしを見つめる。

なんだか急に恥ずかしくなってきた。


「何も。ただあたしなんかが来てもいいお店じゃないような気がして」

「なんで?」

「だってあたし制服だし、北原さんは」

「翔、だろ?」

「か、翔さんはすごく余裕そうだし」

「俺が?余裕に見える?」

「え。うん」


だって翔さんは大人で、あたしよりもきっと女性経験が豊富そうで

あたしよりもいい人をたくさん知ってて。


「だから君はバカなんだよ」


う・・

久しぶりの再会なのにそうやって人の事バカにして

頬を膨らませて翔さんをにらむ。



「余裕なんてひとかけらもないよ」

「え?」




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