年上王子様とのアリエナイ××①
そんな事言われたって
あたしまだ怒ってるんだよ?
謝られたって簡単に許せないくらい傷付いたんだよ?
でも..
翔さんのそんな姿見たら
素直に“ごめん”なんて言われたら
許してあげたくなっちゃうじゃん
あたしどれだけ単純なんだろう。
「絶対に...許さないんだから」
さっきまでは普通に見えてた目の前の景色が
今は歪んで見えなくなってる。
「泣いてるのか?全く君は子供だな」
いつものイジワルも
今はすごく心地よく感じる。
優しい瞳も、言葉も
甘いお菓子みたいにあたしの体に入っていく。
「許す前に質問があるんだけど」
涙をぬぐって、まっすぐ翔さんを見つめる。
「なに?」
優しい声に、つい忘れそうになるけど。
でもきちんと聞いておきたい。
「翔さん、あたしの料理どうして食べてくれなかったの?」
「それは..」
何故か不貞腐れたような顔をする翔さん。
やっぱりあたしの料理はキライなんだ..
そう思っていると
「翔様、ここは正直に申し上げてみるのはいかがですか?」