Escape
Title 1
resolution
著しい蝉の声の中、荒い息を立てて通学路を走り抜ける。
気を抜くと転んでしまうくらい必死に。
早く消えなくちゃ。
一刻も早くここから消えなくちゃ。
「何のタメにくるみを引き取ったのか分からない」
目を瞑れば思い出す。
一番言われたくない人に一番言われたくない言葉を言われた。
そんなにあたしが要らないのなら、もう消える。
それで良いんでしょ?