姫!!そこはよしとしましょう
あれよあれよと言う間に
わたしは振袖姿になった。
こんな格好七五三ぶりだ。
山吹色の打ち掛けには、
白い花びらが描かれていて美しい。
「髪は…どうされました?」
少し短くなった、と言われたが
腰近くまであるわたしの髪は
現代では相当長いほうだった。
少し痛いくらいに引っ張られ
普段歴史ドラマで見るような形の髪型にされた。
…うわ…わたしじゃないみたい。
薄く唇に紅をひかれると、
そこにいるのはお姫さまだ。
わたしじゃない。