You change I.
「あー、逃げた逃げた。」

「ばいばーい」

俺と夏季は何となく、達成感を感じた。
いいことをすると気持ちがいいんだなーなんてのんきに考えていた。
女の子を見ると、今にも泣きそうな顔をしていた。
小さいからだ、より小さく見える。

「君大丈夫だった?」

俺にしては優しいこと言ってるじゃん。

「あ、はい。助けてくださってありがとうございます。」

今まで会った女よりも綺麗で可憐な声だった。

「いいよ。当たり前のことだから」

何格好つけてるんだよ俺。

「あの、お礼がしたいんです。これから、お時間いただけますか?」

この言葉に裏があるようには見えない。
これは受け止めた方が俺にとっても、彼女にとってもいいことなのかも知れないい。

「いいよ。でも、こいつは今からデートだから俺と二人きりだけど、大丈夫?」

「あ、そうなんですか。お二人にお礼ができないのは残念ですが、お礼をさせてください。今晩一緒にお食事とかどうですか?私がおごります。」

「ああ、一緒にめし食いに行こうぜ。」

それから、俺は夏季と分かれて、彼女と一緒に歩いていた。

「どこに行くのか決めてあるのか?」
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