ありったけの愛を...
come across...?

meet.



「いや~あっ!!!!」

新学期そうそう。

やらかしてしまったぜ、アタシ。

7時30分、遅刻です。


「麻子~、あと10分しかないわよ~?
早く降りて来たら~??」

階段の下から、ママの叫ぶ声。

アタシは急いで着なれた制服に身を包んだ。

今日から高校2年生のアタシ、篠田 麻子。

制服が可愛くって、校舎がキレイな

私立凛華高等学校に入りたくって必死に勉強したアタシ。

入学してもう2年目となると

まわりは彼氏だのなんだの作るわけでして...

アタシもまったくいないワケじゃなかったけど

こう~、ビビッとくるような運命的な

恋愛をしたいもんで...なんて贅沢を言ってみたり。

「今日こそ出逢いがありますよーにッ!!!」

毎日、そう心の中で唱えて家をでるのであります!

が。

しーかーしッッ!!!

今日はご飯を食べる暇さえ、ない感じですっ!!!

「ママ、行ってきまあすっ!!!」

「え、ちょ、麻子、ご飯は~???」

ママの声を背中に、

ご飯も食べずに家を飛び出たアタシ。

日課の出逢い祈願(?)なんてしてる余裕もなく。

去年より、少しだけ短くなったスカート。

去年より、少しだけ明るくなった髪色。

去年より、少しだけ大人になったアタシ。

そして今までよりだいぶ家を出るのが遅れたアタシ・・・。


新学期そうそうこんなんで大丈夫なのか?

アタシ・・・。
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