緑の君~月下の森~Ⅰ
カサカサ…。木の葉が揺れ草むらから音がする。
「なんか、足が見える…。怖い。死体とか。」
「かなこはサスペンス見すぎ!」

近づいて行くと、林の中で緑の君が…寝ていた。
「緑の君!」
「まりそんな声だしたら起きるよ!」
ほぅと二人で寝顔に見とれている。

心配しなくてもなかなか起きないから大丈夫。

とお弁当を食べようとするが口にする前に目の前に人が…。
「モゴモゴ。」

「タコウィンナー!」

緑の君はお弁当を食べている。私の弁当を!






タコウィンナー口からはみ出てるし…。






「ごちそうさま。」






ひょいと卵焼きまで奪われる。






「ちょっと!」






食べかけを口に入れて立ち去る。






「さゆり…。やっぱりあんた…。」






「違うから!!緑の君めぇ。」





わなわなと箸をにぎる。
日陰にわざわざくるなんて…。迷惑!






この時…物陰から覗かれていたなんて私は知るよしもなかった。
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