王子様の恋愛事情【LOVEドロップス企画作品】
「あ……」
びっくりして目を見開いたあたしを見つけると、ニコっと笑って手招きをする。
教室の中からチラチラと向けられる視線を気にしながら孝太のところに行くと、
孝太は「ごめんね、呼び出して」と微笑んだ。
「あ、ううん、大丈夫だけど……、どうかした?」
「明日香、こないだ雑誌に載ってたキーホルダー欲しがってただろ?
それ、見つけたから今度一緒に買いに行かないかなって」
「あ、うん。……あの、わざわざそれを言いに?」
不思議に思って聞くと、孝太は照れてるみたいに微笑む。
「こんな話、別に次の選択授業でもよかったんだけどね。
明日香と話したくてつい」
「あ……、うん」
胸がキュっと鳴るのが分かった。