王子様の恋愛事情【LOVEドロップス企画作品】
やっぱりじっくり見ると背、高いなぁ。
髪もさらさらだし、ほどよく茶色に染まってるし。
歩き方だとかもなんか、様になってるし。
……歩き方が様になるってどういう意味だろ。
自分に突っ込みながらコソコソとつけていた時、ミツが立ち止まった。
そして、右側にある教室のドアを叩いて中に入る。
ぴしゃっとドアが閉められたのを確認してから、何の教室なのかを確認すると……。
「……数学学習室?」
不思議に思っていると、中からミツと先生の声が聞こえてきた。
『あれ、どうした。“王子様”』
『それ、やめてよ。矢野セン。それより、持って行く課題は?』
中で話しているのは、ミツと矢野センみたいだった。
矢野センっていうのは、数学を担当してる先生のあだ名。
顔立ちだとか、雰囲気だとか、ちょっとミツに似てる先生。