王子様の恋愛事情【LOVEドロップス企画作品】


見え透いた嘘だっていうのは、自分でも気づいてた。

だって、どっからどう見たってこの胸のサイズは……、大きく見たってB。

言いながら、そんな事に嘘をついた自分が情けなくなって、ミツが言い返すよりも先に背中を向けて椅子に座った。


「なに自分で言って自分で凹んでんだよ」

「……別に」

「中学2年からちっとも成長しないから落ち込んでんの?」

「……そう」


ずばり言い当てたミツにそれだけ言って、机におでこをつける。

そんな事まで覚えてなくていいのに。


ミツは、頭もあたしよりいいし、記憶力だっていい。

そういうところも頭にくる。

……スタイルだっていいし。


あたしなんか、頭とか普通だし。

記憶力なんかむしろ悪いし。

神経衰弱なんか、ミツと10戦してストレート負けした事あるし。

かくれんぼだって、鬼ごっこだって、オセロだって、リコーダーのテストだって!


なにひとつ、勝てたことがない。



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