王子様の恋愛事情【LOVEドロップス企画作品】
「なにが?」
「昨日の夜からずっともやもやしてるの。なんか……、ミツの事考えると。
イライラじゃなくて、もやもや。似てるんだけど、ちょっと違くて」
「どんな事考えるともやもやするの?」
「ミツとあたしの関係が変わるって考えると」
「変わるって? 幼なじみから恋人にって事?」
「違うよっ! 逆! ……いつか、離れるんだなって考えると、なんかもやもやするの」
胸の辺りを押さえながら訴える。
いつも関らないでほしいとか思ってたのに。
なのに、いざそうなるかもしれないって思った途端、こんな症状……。
自分でも自分の気持ちが分からないから、もちろんモヤモヤの原因も分からなくて。
まだ半分以上残っているお弁当箱のフタをぱたんと閉じた。
「つまり、村上と付き合ったりしたら充くんとの距離が自然と離れちゃうから、それがイヤだって事?」
「孝太……、って、なんで孝太?」
「自分に気がある男の事、普通考えるでしょ? え、考えないの?」
呆れ気味に聞かれて、考えてみる。