王子様の恋愛事情【LOVEドロップス企画作品】
……でも、どんなに細かく思い出しても、昨日から今まで、孝太の事考えた時間はなくて。
じゃあ何を考えてたんだって言われると……、ミツの事だけで。
……って。
これじゃあ、なんか……。
なんか、なんか!!
「違うよ! だって、ミツが変な事言ったりするから考えちゃうだけだもん!
あんな悪魔みたいな男、どうでもいいし!
ただ、隠れて優しかったり、危ない時助けたりしてくれるだけで……?」
言ってる途中に、自分で気付く。
『王子様だったら、ヒーローみたいな事しなくちゃダメだと思う。
ピンチには駆けつけてくれる、とか。
さりげなく守ってくれる、とか』
それは、昨日あたしが言った言葉だ。
『篠原のピンチには必ず駆けつけてるヒーローじゃん』
ついでに田口が言った言葉まで浮かんできて、ぶんぶん首を振った。