王子様の恋愛事情【LOVEドロップス企画作品】
神様が仕組んだ恋
翌日の昼休み、孝太に呼び出された。
「屋上にきて」ってメールで。
お昼を済ませてから行くと、柵に寄りかかるように座った孝太が、にこっと笑う。
「ごめんね、呼び出したりして」
「……ううん」
告白だったらどうしよう。
メールをもらってからここに来るまで、そんな事ばかりが頭に浮かんでた。
告白されても、応えられないって、自分で分かってたから。
だけど、もし、孝太が覚悟を決めてきたなら、それを言う前に逃げ出すのは失礼だ。
ちゃんと返事をしなくちゃダメ。
そう思うから、孝太の隣に座って、じっと孝太の言葉を待った。
告白されたら、ちゃんと断わってキーホルダーも返そう。
そう思って、キーホルダーを握り締めながら。
「俺との事、崎本が何か言ったりしてきた?」
孝太の口から飛び出してきたのは、告白なんかじゃなくてミツの事。
孝太はミツとほとんど接点がないハズなのに……、どうしてそんな事聞いてくるんだろう。
そう思いながら、首を傾げた。