王子様の恋愛事情【LOVEドロップス企画作品】
「え」
「好きだっつってんだよ」
怒った顔で言うミツが、不機嫌そうに見つめてくるから、好きって言われたのか怒られたのか、分からなくなる。
だけど、今確かに言ったよね……?
何も言えずに見ていると、ミツは面倒くさそうに言う。
「つぅか、気付けよ。明らかにおまえだけ特別扱いしてたろ」
「特別? あたしにだけ必要以上につっかかってきてただけじゃん!」
「俺にとってはそれが特別。他の女なんか、自分から話しかける気にもなんねーし」
「やだよっ、そんな特別!」
「うるせぇ! 小説ん中の王子ばっか夢見てるからそんな鈍くなんだよ」
「鈍くないもん! 大体、ミツだって鈍いじゃん!」
「鈍くねぇし!」
はぁはぁ言うくらい言い合ってから、ミツがぽつりと言う。
「つーか、なんで俺のタイプが明日香なんだよ」
告白されたハズなのに、全然そうは感じられなくて不貞腐れてると、急にそんな事を言われて。
見上げると、ムスっとした顔をしたミツが続ける。