本当の君

学校から帰って家の鍵を開けた。

「…ただいま」

誰もいない空間に自分の声が響く。

「……おかえりなさい」

誰もいないはずの家から高いソプラノの女の子の声が響く。

リオな訳がない。

だって彼は私より帰るのが遅いから。

彼が私より早く帰ることはなかなかない。




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