本当の君
「ハハッ!おもしろかった。エルの顔」
「おもしろくないわよ!…リオ、大学は?」
「エルを驚かせるために抜けてきた」
「はぁ?何それ。何でそんなこと…。ていうか、私に変身する必要性が分からないわ」
「エルが驚いてる姿がおもしろいから。だって変なヤツに変身しても驚かなくなったし……。
エルが俺のことどんな風に思ってるのか気になって……」
「……そう、なの?」
「エルも俺のこと気持ち悪い化け物だって思ってるんじゃないかって……」
5メートル近く離れていた距離が一気に近づいた。
「キャッ……」
腕を引かれて、彼の腕の中にいる。
顔が近くて、お互いの心臓の鼓動が聞こえる。
顔が一気に熱くなって、鼓動が早くなる。
「そんなこと、思ってないよ」