妖怪外伝百鬼夜行
夜七時。生徒もいない。ただ警備員が見回りをするだけの学校。
その校門に三人が待ち合わせていた。
「揃ったみたいだね」
「そうだね。……千夜、本当に行くの?」
「……行くよ」
千夜の瞳はまっすぐに校舎を見つめていた。彼女が知りたいのは本当に七不思議なのか。
それは分からない。何かもっと彼女を突き動かす何かがあるはずなのだ。
だがそれを烏丸と陽は口にできなかった。彼女が何も言わない以上は、聞いてはならないような空気を感じたからだ。
そしてゆっくり、校門を開けて中へと入った。
足音を忍ばせ、懐中電灯を片手に歩く。まず最初は美術室の戻る肖像画の調査。
二階の美術室を目指し、階段を上る。その時、カツンと音がした。
「っ」
警備員かと思い、息をひそめる。足音らしきものはしばらく続き、そして止まった。
ゆっくりとまた階段を上り始める。三人の最後尾で、千夜が小さく手を震わる。
しかしそれは、誰にも気づかれることはなかった。
――ポロン……
階段を無事に見つかることなく上り終えたとき、校舎にピアノの音が響いた。
早速七不思議の定番である音楽室のピアノの怪が起きた。
「先生……」
「……カラスに見てこさせる。今音楽室に行けば警備員にはち合わせるだけだからな」
ピアノの音がした瞬間に、先ほどまで最後尾で震えていた千夜が音楽室へ行かんとする。
それを烏丸が制止した。
警備員もこの音を聞いているはず。今行けば、様子を見に来た警備員に見つかることは必至。そうなれば烏丸がまずい。
「……はい」
それには仕方なく千夜も了承し、勢いを止めた。
烏丸は窓を開け、カラスを呼ぶ。そして人には聞き取ることもできないカラスだけの会話を行い、カラスを飛ばせた。
「少しすれば戻ってくる。それまではここで待機だ」
「はい」
七不思議は本当にあった。
少し、興味が出てきた。
その校門に三人が待ち合わせていた。
「揃ったみたいだね」
「そうだね。……千夜、本当に行くの?」
「……行くよ」
千夜の瞳はまっすぐに校舎を見つめていた。彼女が知りたいのは本当に七不思議なのか。
それは分からない。何かもっと彼女を突き動かす何かがあるはずなのだ。
だがそれを烏丸と陽は口にできなかった。彼女が何も言わない以上は、聞いてはならないような空気を感じたからだ。
そしてゆっくり、校門を開けて中へと入った。
足音を忍ばせ、懐中電灯を片手に歩く。まず最初は美術室の戻る肖像画の調査。
二階の美術室を目指し、階段を上る。その時、カツンと音がした。
「っ」
警備員かと思い、息をひそめる。足音らしきものはしばらく続き、そして止まった。
ゆっくりとまた階段を上り始める。三人の最後尾で、千夜が小さく手を震わる。
しかしそれは、誰にも気づかれることはなかった。
――ポロン……
階段を無事に見つかることなく上り終えたとき、校舎にピアノの音が響いた。
早速七不思議の定番である音楽室のピアノの怪が起きた。
「先生……」
「……カラスに見てこさせる。今音楽室に行けば警備員にはち合わせるだけだからな」
ピアノの音がした瞬間に、先ほどまで最後尾で震えていた千夜が音楽室へ行かんとする。
それを烏丸が制止した。
警備員もこの音を聞いているはず。今行けば、様子を見に来た警備員に見つかることは必至。そうなれば烏丸がまずい。
「……はい」
それには仕方なく千夜も了承し、勢いを止めた。
烏丸は窓を開け、カラスを呼ぶ。そして人には聞き取ることもできないカラスだけの会話を行い、カラスを飛ばせた。
「少しすれば戻ってくる。それまではここで待機だ」
「はい」
七不思議は本当にあった。
少し、興味が出てきた。