妖怪外伝百鬼夜行
「わざわざすみませんね。先生の手を煩わせて」
「東先輩?」
入ってくるなり聞こえてくる声に、千夜は小声で反応した。
ゆっくりと物陰からのぞくと、癖っ毛の美少年がそこに立っていた。
千夜も憧れる東鳥介がそこにいた。
「いいですよ。生徒一人に夜の校舎を歩かせる方が問題ですし」
「例の七不思議のことですか?」
もう一人の声も聞き覚えがある。東の担任である穂村由月だ。
なぜこの時間にあの二人がきているのだろうか。
「……」
「まあ、別にいいですけど。じゃあ、帰ります」
そう言って、さっさと東は職員室から出て行った。
残った由月は深くため息をつく。
「七不思議……か」
ぼそりと呟いた後、彼もまた退室した。
「はぁ……っ……はぁ……っ」
吐息が漏れ出る。女の吐息。暗い場所で、女が一人いた。
学校のどこか。隠された場所に、女がいた。
「東先輩?」
入ってくるなり聞こえてくる声に、千夜は小声で反応した。
ゆっくりと物陰からのぞくと、癖っ毛の美少年がそこに立っていた。
千夜も憧れる東鳥介がそこにいた。
「いいですよ。生徒一人に夜の校舎を歩かせる方が問題ですし」
「例の七不思議のことですか?」
もう一人の声も聞き覚えがある。東の担任である穂村由月だ。
なぜこの時間にあの二人がきているのだろうか。
「……」
「まあ、別にいいですけど。じゃあ、帰ります」
そう言って、さっさと東は職員室から出て行った。
残った由月は深くため息をつく。
「七不思議……か」
ぼそりと呟いた後、彼もまた退室した。
「はぁ……っ……はぁ……っ」
吐息が漏れ出る。女の吐息。暗い場所で、女が一人いた。
学校のどこか。隠された場所に、女がいた。