お姫様も楽じゃない





「ひとつだけ、良いかしら?」

彼女は優しい声で言った。



その声に誘われるように、私は首を上下に降っていた。



その様子を見て安心したように、彼女は続けた。


「もし普通の生活…戻りたか…たら、“……て……な…ね”って言っ…ちょう…だい」



「まって、聞こえないわ!」


私が叫ぶ前に
彼女の姿は光につつまれ
消えてしまった。



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