風が強い日に
「和依帰ろ」
「うん」
あれからいつも通り授業を終えて、
掃除当番のあたしを待ってくれてる2人。
駅まで歩いて定期券を通して
電車の椅子に座って
今日あった事を話したりして
あっという間に蜜柑は下車。
その後にも話を続けていると
すぐに篠杉浦に着いて
駅を出た。
駅を出て左折して
薄暗い地下トンネルに入る。
胸がドキドキしている事がわかる。
いて…ほしいな…。
鞄の中にはネクタイが入ってるから
返そう。
「(あ、タオル忘れちゃった…。)」
ドキドキしながらトンネルを通った。
抜けて顔を上げる
「―――――ぃない…。」
「(昨日と同じ電車なんだけどな…。)」
いなかった。