風が強い日に
「特徴とか無いの??」
「ん~…。」
特徴、かぁ…。
「黒髪で・・駅自転車でいて……」
「ぶっ細工だった?」
「ん~…あんまり見えなかったけど
輪郭は整ってたよ」
「ん~誰だろ…;;」
亜由ちゃんでもわかんないかぁ…。
「東條じゃーな」
「あ、バイバイ!!」
校門を通った男の子が亜由ちゃんに
挨拶してたから仲いいんだろぅな……。
あたしあんまり男の子とは話さないから
憧れるなぁ…。
「なぁ周平は?」
「周平はまた店の手伝い。」
「老舗の倅(せがれ)は大変だなぁ…」
「老舗じゃなくても大変なんだけど…。」
周平って人のお家も老舗なんだ…。
本当、多いなぁ…;;
「にしても周平も凄いよな。
アイツ、自分の夢持ってんのに継ぐんだろ?」
「まだ決まってねぇよ。」
「…………。」
凄いな…。
自分の夢を諦めてまで継ぐなんて…。
あたしは夢すらないから…。
苦しみはわかんない。
でも、
凄いと思った。