風が強い日に




薄暗い地下トンネルを抜けると、

風が強くてビックリした。


目の前に舞っている葉を見上げた。



「!!」



自転車置き場にいた男の子と

目がバチッと合った。



風が強くて髪の毛で

顔はあんんまり見えないけど

着ている制服で

すぐ近くにある

高校の生徒だってのは分かった。



何だか時がゆっくり進んでいる気がした。




「あ―――」


目の前の男の子が口を開いて

何かを言おうとした瞬間―――…





「―――へ…??」



――――バシャァアン



「!?」




突然頭から水をかぶってしまった。

上を見ると、

トンネルの上にある家に住んでいる

老婆がバケツを

ひっくり返してしまっていた。








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