叶わなくても
「よかった」

「聖也には、わからないだろうけど美味しい」

それから、あたしと聖也は二人でいろいろなものを食べた。

「はぁ~、腹いっぱい」

「なんか、聖也おっさんみたい」

「男は皆年取ったら、おっさんだし」

「確かに」

「そろそろ、九時半だし帰るか?」

「そだね」

なんだか、名残惜しい気持ちになる。

だけど、また来年がある。

あたしは、密かに来年も聖也と来れますようにと祈った。
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