叶わなくても
あたしは、ただ呆然とする。

「キスしても、言わない?」

「っ・・・\\\」

「じゃあ、もっと激しいキスしっよかなぁ・・・」

「!! 言うから!!」

あたしは、美佳ちゃんの視線を気にしながら、「本当はついて来る美佳ちゃんに嫉妬した」と言った。

すぐさまに聖也と詩織は、

「なんで!?」

「なんで!?」

「だって可愛いしこんなにずっと居たら、誰だって好きなっちゃうよ・・・」

「可愛い!!」

聖也は、二人が見ているのもお構いなしであたしを抱きしめる。

「ちょっ!!聖也!!」

「だって、可愛すぎるだろ・・・」

「うんうん」

っと、頷く詩織。

「可愛くないよ・・・」

小さい声で反論しても、二人には届かない。

美佳ちゃんは、黙って姿を消した。

美佳ちゃんは、聖也の事を諦めたと思っていた。

あたしの考えが、浅かった。
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