軽薄男に鉛弾を【新☆パラレル・ワールド企画作品】
"グサッ…"

案の定、少年は腹を切った…ってよりマジに切った。

「お、おい…いくら何でもそこまでするか?」

まだ映画の撮影と思っている純一郎は動揺する。

そんな事知ってか知らずか

「み、見慣れぬ…か、格好…のお方に…お、お頼み申…す。会津の…正義を…後の世に伝えて…下され…」

少年は、そこまで言うと自分で自分の頸動脈をかき切って果てた。

"ブシャ〜"

飛び散る鮮血を全身に浴びた純一郎は思わず

「うぎゃ〜!」

絶叫する。

「コ、コイツ…マジに…切りやがった…って事は…」

恐る恐る少年の心臓のあたりに手を触れてみるが



「し、死んで…る」

もしかして…これって映画じゃなくてマジな戦争?

目の前で人の死の場面を直視した純一郎は、人目もはばからず錯乱した…って言っても誰も居ないけど…
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