渚
「言うわけないって、んなこと。つか、波瑠って誰」
「山本波瑠。8組の…知らないの?」
「知らない…ちょっと待って」
山本…山本?
「同じクラスの、山本が池田のこと好きって池田に言った」
…あいつ、8組の山本のことだと思ってたんだ
「…えーっと、じゃあ。池田くんの、間違いってこと?」
「多分…」
「……ごめん!思いっきりぶっちゃった…痛くなかった?」
「…ちょっと、痛い」
「ごめんーーーー。なんか、あたし思いっきり勘違いしちゃったみたいで…ほんと、ごめんね?今度、何かおごるから!」
「いや、いいけど…」
これが、衝撃的な出会い
これから、始まっていくわけで
その数日後、食堂で雨荻はアイスをおごってくれた
「何アイス?」
「…抹茶」
買うのに待っている間、沈黙が続く
「そういや、何で俺のケー番知ってたの?」
「宇野から聞いた」
「宇野と…仲いいの」
「まぁ…普通ぐらいかな。同じ中学だから」
「ふ-ん」
「あ、よかったらメアドも教えてくれない?」
「うん」
その3ヶ月後、俺らは付き合い始めた