俺は、空き缶を受け取って、自販機の横のゴミ箱まで捨てに行こうとした

その時、俺の指が澪の手の甲に触れた

「あ、ごめ…」

顔を上げると、
すぐ澪の顔

しばらく、目が合う

「「…」」

自然に、目をつぶっていた

澪も、俺と同じ動作をしていた

澪は、荷台に乗ったまま、
上半身を折り曲げて俺に顔を近づけていく

唇が、自然と近づく

澪の髪が顔に当たって、こしょばい


唇が重なった時
一瞬だったのか、もっと長かったのか覚えてないんだけど


世界が止まった
自分と澪しか存在しない世界


ゆっくりと、唇を離す

澪の顔は、ほんのり桜色で

多分俺も、そうだったと思う


ファーストキスは、緑茶の味


< 7 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop