とどまることなく……


「先客って、あたしのこと?」

あたしは立ち上がって男の前まで歩いた。

「お前、見かけねぇ顔だな?名前なんだよ」

好青年は言った。

好青年は見かけによらず口が悪かった。

好青年はあたしよりも大きな体をしてるからきっと二年か三年だろう。

「でしょうね。だってあたし転校して来たばっかしだよ?てか人に名前聞いといて自分の名前先に名乗らないってどうよ。あたしあんたが名乗らないと教えないよ、名前」

好青年は苦笑いした。


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