不思議な国のありす
そして、俺がお茶会から解放されたのは合計6杯目のお茶を飲み終えた時だった。
「…………腹が」
腹を擦りつつ歩く。
結局、眠りネズミに文句を言うことも叶わず早々に退散し、いつの間にか森に入っていた。
『アリスヨ!』
『ホントダワ』
『イママデトワチガウワネ』
誰かの話し声がする。
声のした方に目を向けるとそこには薄暗い森には似つかわしくない小さな花畑があった。
耳を潜めるとその中から声がするようだ。
『アリスガコッチヲミタワ』
『マァドウシマショウ』
『テレルワ』
よくよく目を凝らすと
「花が喋った」
花達が身を揺らして会話をしている。
正直もう色んなことに免疫がつきはじめたのかあまり驚けない。
「ヤバいな俺、重症かも」