不思議な国のありす
ロッカーからこんにちは
部活動終わり
さぁ帰るぞ、とロッカーを開けると…………
『ワタシを飲んで』
中には見覚えのない……
「栄養ドリンク?」
メッセージカードにはご丁寧にハァトマーク付き。
「誰だ?」
どうせ飯塚か高橋辺りだろう
そう思って手に取って蓋を捻る。
一気に飲み干した瞬間…………
「っ!?まっじぃ!!!」
まさか腐ってんじゃねぇよな、と口をおさえて吐き気に耐えていると突然くらりと目眩がした。
次の瞬間、
バタンっ!!
何かが閉まる音と共に視界が闇に染まる。
「はっ!?停電か?」
いや、目の前にはロッカーと背後には窓の狭い部室だ、夜ならまだしもまだ夕方、電気が消えたとしてもこんなに暗くなるわけない。
手を伸ばしてみると錆び付いた薄い鉄の感触。
「ロッカー……だよな」
さっきの音はロッカーの閉まる音だったようだ。
目の前にはロッカーがある。ならば後ろには夕日の射し込む窓がなければいけない、はず。
ゆっくり、ゆっくり振り返ると…………