不思議な国のありす
学校の校庭よりも広いと思われる庭をマリーは迷いもなく進んで行く。
城の入り口はすぐそこに見える。
だが、歩いてかれこれ15分は経過している。
何故かというと……
「迷路かよ……」
そう、言わば所詮巨大迷路。
行けども行けども目の前にはバラの壁、壁、壁。
高さは胸の辺りだが乗り越えられるものでもなく只歩くしかない。
「道、ちゃんとあってんのか?」
ポツリと呟く。
「失礼ね」
無表情のままマリーが振り向き俺の呟きに答える。
「リリーと一緒にしないでちょうだい」
おーい、いいのか?
今そんなこと言ってもいいのか!?
「…………」
怖い。
沈黙が怖い。
「マ、マリー?」
「……ゴメンナサイ」
リリー!!
「ごめんなさい、私のせいで……」
「リリー!?大丈夫だって!!ほらもぉすぐそこだしさ!!」
オタオタと慌ててフォローするが立ち止まったままだ。
「おい!マリー!?」
「疲れたわ」
…………マリー!?