不思議な国のありす


「ようこそアリス、お待ちしてました」


「………………は?」



そこで冒頭へ戻る。


さっきまでの暗闇はどこへいったのかとかこの際どうでもいい。
目の前には白髪……いや、銀髪に赤い瞳、ベストを着て恭しくお辞儀をする男。そう、そこまでなら百歩譲ってもそこそこイケメンで日本語の達者な外人とでも言っていいだろう。

だが違う。問題はそこじゃない。
一瞬幻覚かとも思ったが何度瞬きしても消えない、消えてくれないソレは……



「………ウサギ?」

思わず指さしてしまった。

「?よくご存知で」

指を指されたことは気に止めず目の前の男はさも当たり前のように頷いた。




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