不思議な国のありす


「こら!!待たぬか!!」

その声と同時にわらわらと現れたのは、先ほどのリアルサイズ(手のひらサイズ)のトランプの兵隊。

そいつらが止まれと言わんばかりに足にへばり付いてくる。


「ウザッ!!」

正直、一応は生き物なので踏み潰していいものか迷う。


「貴様、私の庭にどうやって入った?」


迷っている間に追い付かれた。


……………私の庭?

「え!?」


振り返れば目に入ったのは、20歳前後の女性が剪定ばさみ片手に立っていた。


「あんたがハートの女王?」

思わず指差してしまう。

「私が女王と知ってのその態度か?無礼者が」

慌てて手を下ろす。

「いや、あの……すいません」




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