不思議な国のありす
(ヤバい。なんだこいつ、ちょっとどころかスゴいアブナイやつか?
うさ耳とか、いくら顔が良くても男が着けちゃだめだろ!?)
と、そんな考えがマッハで頭の中を駆け巡りふとうさ耳に視線をやると
「!?いっ今、動いた!!」
声を裏返しながら数歩後退る
男は「何か?」とでも言いたそうな顔でこっちを見ている。
「み、みみみみみ耳!!」
「耳?あぁ、ウサギですから耳くらい動きますよ」
そう言ってピン、と垂れ気味だった耳を伸ばしてみせる。
「………………」
何も言わずに振り返る。
「………………」
そこにあるのは古く錆び付いた鉄のロッカー…………じゃなく、緑生い茂り草花揺れる草原。
「……………何処だ、ここ」