不思議な国のありす
(おいおいおいおい、ちょっと待ってくれよ。俺は部活が終わって帰る準備をしていたはずだ、はずというかしてたんだ、間違っても今からピクニックに行く予定ではなかったし、ましてやこんなうさ耳着けた男の知り合いなんていない、寧ろ頼まれてもお断りだ。
何だ?どうしてこんなことに………)
「……リス」
(思い当たることといえば…………あの腐った栄養ドリンク!!!!あれ飲んだせいで倒れて夢でも見ているに違いない!!!!)
「……アリス」
(クソッ!!飯塚か高橋め腐ったもんなんか飲ましやがって、明日会ったら一発殴ってやる)
「アリス?」
ふと思考がピタリと止まる。
「あんた……さっきから誰呼んでんだ?」
見た限り周りには誰もいないし勿論俺はそんな名前じゃない。
「貴方ですよ?アリス」
そう言いながら近くまで歩み寄り、足元にひざまずいたかとおもうと、おもむろに俺の右手をとり………………
バッチ―――ン!!
「何しやがる!!」
「…………何ってキスですが」