極恋~天然陰陽師娘と俺様極道の若~
冷たく即答され、再び頭の中が溶かされるほどのキスが降ってくる。


蓮とのキスは、いつも突然だ。


いきなり襲ってきて、なにもかもをどろどろに溶かして離される。


終わった頃には、足腰が立たず、蓮の胸にもたれかかるような状態になっていた。



「はぁ、はぁ・・・」


「クスクス、そんなによかった?」



あたしがこんな状態でも、いたって余裕そうな蓮に腹が立つ。


一つだけ胸を叩いて、蓮から離れる。



「ばか・・」


「そんだけ元気なら大丈夫だな」



そう言って、笑みを一つこぼして帰って行く蓮の後ろ姿を見送る。


結局なぜキスしたかの質問ははぐらかされたまま。


それなのに、あたしの心臓はドキドキと速すぎて苦しかった。


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