極恋~天然陰陽師娘と俺様極道の若~
「蓮!」



いきなり名前を大声で呼ばれ、驚いてそちらを見ると、息を切らせた凛がそこにいた。



「凛?」



突然現れた白雪姫にクラスの人間が驚く。


それもそうだろう、俺達が従兄弟同士だと知らない生徒達の真ん前で、男子のあこがれである凛が俺の名前を呼び捨てにしたあげく、走り寄ってきたのだから。


だが、凛の表情は、彼氏の元に来た彼女の顔とはかけ離れていた。



「どうゆうこと!?あんた涼さんになんか頼んだの!?」



あまりの剣幕に、純は驚いている。


だが、俺は今それどころではなかった。



「は?なんのことだよ」



そして、次に凛の口から出た言葉に、俺は全力でクラスを出て行った。



「涼さんが雪帆の正体ばらしちゃったのよ!」
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