極恋~天然陰陽師娘と俺様極道の若~
「それで?凛はどしたの?わざわざあたし達の現状を確認しに来たんじゃないんでしょ?」



そう、もともと凛の相談のために集まったのだ。

そう言うと、さっきの勢いはどこえやら、いきなりしゅんと落ち込んでしまった。



「雪帆、キスって好きじゃなくてもできるのかな・・・」


「え゛?なに・・・誰かにされたの?」



驚いて凛を見ると、頬を赤らめてコクンとうなずく。



「だ、誰にされたか言える?」



なるべく穏やかに聞くと、さらに頬を染めてか細い声で呟く。


先ほどの凛とは天と地ほどのテンションの差だ。


「・・・・・・門脇純」


凛の言葉に驚愕する。


一番想像していなかった人物だ。


「そ・・・・か。で、凛はどしたの?」


「・・・突き飛ばして逃げちゃった」



目にうっすらと涙が混じっている。


凛の反応にもしやと思いつく。これは・・・



「凛は純にキスされて嫌だった?」


「・・・いや・・じゃなかった」



―――恋する乙女の顔だ。
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