極恋~天然陰陽師娘と俺様極道の若~
「でも家はただ古いだけですし、あたしもお嬢様って言うような大層な者じゃないですよ?偉いのはあたしじゃありませんから」


「はぁ・・・世の勘違いしているお嬢様達に聞かしてやりたいですね」



そう言って優しく笑う門脇さんを不思議に思った。


なにか、そう思うようなことがあったのだろうか?


そんなことをつらつらと考えていると、蓮の部屋についたようだ。



「失礼します。若、今よろしいでしょうか」


「門脇か。なんだ」



ちょっとだけ疲れたような蓮の声がした。


来ない方がよかったかもしれない・・・


疲れているのに今から言うことは自分のわがままだ。



「雪帆様がいらっしゃいました」


「通せ」



即答してくれたことをちょっとだけうれしく思いながら中にはいると、いつも蓮から香る、甘いようでさわやかな香りがする。
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