極恋～天然陰陽師娘と俺様極道の若～
出て行こうか迷っていると、蓮と目が合った。


そして、強く引っ張られる。



「残念でした。彼女いるから。わかったら・・・散れ」



蓮の腕の中で身動きできないあたしを見て、悔しそうに去っていく女たち。



「蓮、よかったの？あの人たち・・・」


「あぁ？なに、ついて行った方がよかった？」


「そんなわけなっ・・・！」


「だったらんなこと聞くな」


「・・・ごめん」



やっぱ蓮はモテるなぁと落ち込んでるあたしの頭をポンポンとたたく。



「あー、あいつらのせいで変に疲れた。境内のほう行くぞ」



そう言ってあたしの腕を引っ張る。もうはぐれないように。


疲れたって言うのもたぶん嘘だろう。あたしが疲れて足が痛いことをわかってるんだと思う。


境内に着くと、そこには夜の静けさが漂っていた。


なかなかに大きい神社なだけに感じる神気も強い。



「そこ座ってろ。なんか飲み物買ってくる」


そう言ってあたしを置いて行ってしまった。
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