PE
 寧ろ試運転にも関わらず比較的厚い装甲を装備させたクロアに感謝すべきだった。
「貴方はどうでした? マスター」
 その質問は想定していた。
 大して迷いもせずマスターは答えた。
「電力に難があるな。たった数分、それも単純な行動をしただけなのに三割も電力を消費している。実践だったら死んでいる。それとFCS……射撃統制システムの誤差も酷いな。あれではまともに射撃等出来ない。まあ、敵は人間だから今回は問題なかったが」
 的確な指摘だな、とクロアは思った。確かにコンデンサの容量が小さいのだ。そして射撃統制システム。今回戦闘は想定していなかったとはいえ、射撃統制システムは実践での使用を想定した物だった。誤差はあるな、と思っていたがそのままにしていた。
「そうですか。実践データーはかなりの研究材料になります」
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