パラレル・ワールド~君と僕の命の起源



その後の講演の内容なんか、全く頭に残っていませんよ。



僕は原口さんを間に挟んで葵さんを遠ざけて座ったつもりでいたのですが、彼女は見た目とは全く違う強引さで僕の隣に座り直し、そのリーディング能力をフルに使って僕を翻弄し続けたのです。


あ、翻弄するっていうのは語弊がありますね。


僕が勝手に動揺してしまったのです。


今にして思えば、彼女は彼女なりに、自分の使命を全うするため、彼女の貴重な時間を僕のために使ってくれた、ということなのですから。



感謝しなければいけませんね。
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