パラレル・ワールド~君と僕の命の起源
だから、どんなに夜遅くなろうとも、例え朝日が昇ろうとも、僕は家に帰ってくるのです。
幸い、今夜はまだ序の口、十二時を少しまわったところ。
案の定、一階の居間からは、明かりが漏れていました。
今夜は親父は出張だし、姉が一人起きているのだろうと……
「姉貴、まだ起きて……る……」
居間を覗くとそこには、ワインボトルを転がして、酔いつぶれて床に転がる姉の姿がありました。
「ったく、いい歳こいて、家酒ですか、お姉さま」
僕は、散らかった酒瓶や、食べ残したつまみの残骸を手早く片付けると、無防備に酔いつぶれた姉の身体を揺さぶり起こしました。
「姉貴、起きろよ、ベッドで寝ないと美容に悪いぞ」
「う~ん、た・か・や……」
呟くように姉の口からこぼれた、聞き覚えの無い男の名前に僕は身を硬くしました。